「…佳主馬くん?」
「心配した……」

あたしはまず、自分の耳を疑わざるを得なかった。え?佳主馬くんが心配したって…。確かに声もかけずに出てきたのは悪いと思うけど、まさかそんなに心配されるとは思わなかった。

「ご、ごめん、なさい」
「…べつに、怒ってない」
「そ、そっか…」
「ちゃんとここに居てよね」
「うん…」

そういうと佳主馬くんはすっかり暗くなった何度で再びパソコンを開いた。あたしも大人しくその場に座り、ケータイを開いてOZに繋いだ。OZのゲームに確か花札があったはず。あたしは早くも、花札にハマったのだ。決して強くはないけど、弱くも無い。少しづつ詳しいルールを覚えて、だんだんと勝つ回数が増えてきた。つまりはそれだけ長時間花札に没頭していたという訳で、気が付く頃には佳主馬くんのパソコンはシャットダウンされていて、当の佳主馬くんはこっちを見ていた。

「花札、強いね、」
「えっ…そ、そうかなあ」

そう言う佳主馬くんは何故か嬉しそうで、「よくやったんだ。花札」と独り言のように呟いた。


  
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