体育祭会議は長引き、国語の次の数学の授業まで潰してしまった。みんな案外真剣に取り組んでいて、あたしはとても嬉しい。

「じゃあ、パネル製作の総括は晋助とヅラと坂本でいいね」
「まかせろ」

胸を張ってこたえた晋助にあたしは嬉しくなる。三年の初めまではろくに教室にこなかったのに…今ではすっかりクラスになじんでいる。

学年関係ナシのクラスごとに別れて優勝を争う事に決まった体育祭では、あたしたちZ組はここだけでひとつの軍にすることになった。少人数でも十分優勝が狙えるチームだと思う。神楽はもちろん妙ちゃんや九ちゃん、風紀委員のやつらも結構強い。

「放送と進行は神楽と妙ちゃんと九ちゃんね」
「わかったアル!」
「お妙さん!是非俺も」
「テメーは会場の取り締まりだろうがアァ!」
「ぶべら!」

全ての仕事が決まったところで、銀ちゃんがジャンプから顔をあげた。

「じゃあ、そのきったねえルーズリーフよこせ」
「え」
「ババアに見せて体育祭のしおりつくってくっから」
「ありがとう」

銀ちゃんはそういってダルそうに教室から出て行った。なんだアレ、銀ちゃんも十分楽しそう。

「正直じゃないアル」
「はは、そうだね」

隣にいた神楽ちゃんと笑う。確かに今、3Zはひとつになっている。