「名前ちゃん」
「は、はい」

村長さんはうーんと頭を捻った。実はなんだかんだあってこの河川敷の人ともそれなりに仲良くなったわたしは、なんと歓迎会を開いてくれたのだ。そしてまだ村長に名前をつけてもらっていないわたしは、村長に名前を考えてもらっている。しっかり握っているシスターの服とマリアさんの手は、まだわたしには必要不可欠なものだったけど、これからは少しづつ親離れできたらいいな、とは思うようになった。

「名前ちゃんは名前ちゃんでいいかなー、似合ってるし」
「そうだな、」
「村長にさんせーい!」

皆さんがわーっと拍手をして、わたしはとうとうこの河川敷の仲間として正式に迎えられた。ニノさんのとったお魚を食べて、P子さんが育てた野菜を頂いて、たくさん、たくさん楽しいことを体験した。いつの間にかマリアさんの手を握る手は緩くなっていて、自分でもびっくりした。マリアさんのほうをみると、嬉しそうに笑っているから、あたしもうれしい。

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