もしかしたら、依存してしまっているのかもしれない。いつの日からか、そう思うようになった。わたしの一日は、朝となりにあるマリアさんの牧場に行ってマリアさんの特製ホットケーキを頂く事から始まる。とれたての牛乳と卵で、ふわふわにつくられたホットケーキに自家製のバターと蜂蜜。P子ちゃんに貰った野菜のサラダ。これ以上の朝ごはんはこの河川敷にはないだろう。きらきらと輝く日光を浴びながら、マリアさんが来るのを待つ。ここの動物たちとも随分仲良くなった。羊の毛に触ってみるとふわふわしていて、とても家畜のようには見えない。その感触を楽しんでいたらマリアさんがやって来た。手には二つのマグカップ。中にはきっと絞りたての牛乳が入っている。マリアさんがわたしの向かいの席に座って、やっとあたしはフォークを持つ。これはあたしが決めたあたしのルールだ。

「どう?おいしい?」
「うん。すっごく」
「よかった」

 朝からこんなに綺麗なマリアさんの笑顔をみることができるのも、あたしだけの特権だろう。マリアさんの牧場にはあまり人が来ない。だからみんなマリアさんのもの。それを少しだけ、分けてもらっている。おいしい朝ごはんをおなかいっぱい食べて、その後片付けを手伝う。お皿やマグカップを棚にしまっていると、河川敷の離れた方からミサの声が聞えてくる。シスターのミサだ。わたしはシスターが好きだ、家族愛とか、親愛とか、多分そういう意味で。でもマリアさんはシスターのことを嫌っている。でも楽しそうに会話をすることもあるから、その真意はわからない。

「名前もいってきなさい」
「、いいの?」

 マリアさんはにっこりと笑んだ。あたしは歩き出す。お気に入りのパンプスを履いて。


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