OZの利用が一番少ないのは昼間。娯楽目的などで利用する場合多くの人が昼間は学校に行っていたり仕事中だからだ。深夜などの時間帯はむしろ多い方で、OZでは定期的に平日の昼間にメンテナンスを行う。勿論OZの全ての機能が利用停止になったらOZを利用している企業などに支障をきたしてしまうため娯楽目的のブースと大型掲示板、OZメールサービスなどの一部だけだ。他の企業的なサービスについては深夜などの企業が機能していない時間帯などにメンテナンスを行うなどの対策を取っている。OZ側は、「頻繁に連絡を取らなければならない相手などがいる場合、OZアカウントのみでなくケータイやPCの電話帳に登録しておくことをおすすめします」としている。

そんなことがOZまとめwikiに載っているのを結構前に見た。

「メンテかあ」
「やるの結構久しぶりだね」

購買で買ったいちご牛乳を口に含んでパチンとケータイを閉じた。何だかんだ言って今日は学校に来てから殆ど佳主馬と離れている。これからはこれが日常なんだなあと思うとちょっと寂しかったりしなくもない。

「じゃあ今日の放課後は一緒にどっか行こうよ」
「そうね、メールも使えないし」

夏帆ちゃんがコーヒーパンを齧っている。こ、これは私も一緒に行っていいのだろうか。なんとなくきょろきょろしていると夏帆ちゃんが「名前も一緒にどう?」と声をかけてくれたので喜んで一緒に行く約束をした。

「双葉も誘いたいけどOZが使えなかったら連絡できないね」
「名前にも紹介したかったんだけど…仕方ないね」
「双葉さん?」
「うん、近所のお嬢様学校に行ってるの。私たちの友達」
「へえ〜」

空になったいちご牛乳のパックを置いて、ちらりと佳主馬の方を盗み見た。そしたら目が合って、驚いた私は思いっきり佳主馬を視線からそらしてしまった。これは悪印象だよな。

「あ、池沢こっち見てる」
「付き合ってるんだっけ?」
「いやいや違うよ!まあ知り合いだけど全然付き合ってない」
「そっか〜じゃあよかったじゃん夏帆!」

ぱんぱんと南ちゃんが夏帆ちゃんの肩を叩いた。もしかして、もしかすると

「夏帆ちゃん、佳主馬…君のこと好きなの!?」
「ちょ、名前!大声で言わないでよ!」

力いっぱい夏帆ちゃんに口を塞がれてしまった。く、苦しい。


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