「ア、アハハ…そんな訳ないじゃ「付き合ってるよ」…え」

佳主馬は至極マジメな顔でクラスメイト達に言い放った。その言葉に聞いてきた女の子は勿論クラスのほぼ全員が目をまんまるにしてあたしを見た。ええええ、なにそれ、なに言ってんの佳主馬。あたし、佳主馬と付き合ってないよ。

「池沢の彼女…」
「まさか、あの池沢が…」

ざわつき始めた教室で、あたしは意味が解らない。相変らず女の子からの視線は痛いし、男の子たちは信じられないという表情であたしを見ている。転校早々、これは良くないんじゃないだろうか。ちらりと佳主馬のほうに視線を向けると、佳主馬はなんとなく笑いながらこっちを見ている。なんか、ニヤニヤした感じ。あれ、佳主馬ってこんな風に笑うやつだったっけ?

「ほら、授業はじまるよ」

佳主馬が口にしたこの一言でみんな慌てたように自分の席についた。そのことにホッと一安心しながらも再び佳主馬のほうを見る。佳主馬はやっぱり楽しそうに笑っていて、あたしは熱い頬に手をあててこれからの学校生活の不安を膨らませていった。


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