「今日からこのクラスの生徒になる名前さんだ」
「よ、よろしくお願いします」

ぱちぱち、と教室じゅうに拍手が鳴り響いた。なんだか照れくさい。佳主馬のほうをみると凄まじい眼力で先生の方を見ている。先生は焦ったようにあたしに喋りだした。

「あの空いてる席に座ってくれ」
「はい」

まさかとは思ったけど、やっぱり空いている席にすわることになる。その席は窓側の一番後ろで、一番人と関わりにくい場所になる。そして隣が佳主馬。クラスが一緒になったことといい、この席といい、ただの偶然としておくにはどうかと思う。クラス中の視線を浮けながら席について気づく。この視線の中にはあたしを暖かく迎えようとしてくれている人だけじゃないってこと。半分近くの女子があたしに憎しみの篭った視線を送っている。転校そうそう、あたしが何をしたって言うんだ。

「よろしく」
「…よろしく」

白々しく笑顔で話しかけて来る佳主馬に苦笑しながら返事をすると、視線がさらに痛くなった。担任はHRを手早く済ませ、まるで逃げるように去っていった。この学校、何かおかしい。
先生が教室のドアを閉めた瞬間に、わっとあたしの席に人があつまる。小学生かよとも思ったけど、結構嬉しい。色んな質問に戸惑いながらも照れていると、目つきが悪いギャル系な女の子に衝撃的な一言を言われた

「名前さんと佳主馬くんって付き合ってるの?」

まさか、と言いたかったです。


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