「おいしそう!」
「そりゃどうも」
なんだか違和感のある制服に着替え、髪を乾かして軽くメイクをしたあたしはリビングに出た。そしたらテーブルにおいしそうな朝食が出ている。ランチョンマットはあたしが黒で佳主馬が白。そのことに無性に嬉しくなった。
「うちでは朝ごはん適当に済ませてたからなあ」
「朝食はちゃんと食べないと」
「そうだね」
いつ着替えたのか解らないけど佳主馬は制服を着ていた。足長くみえるなあ、佳主馬は十分足ながいんだけど、更にそれが際立っている。見惚れていたら佳主馬と目が合ったので、あたしは急いで視線をめだまやきやサラダに移した。コップにはカルピス。
「って、牛乳か」
「なにが」
朝からカルピスなんてラッキーとか思いつつそれを口に運ぶと、牛乳だった。そっか、朝といえば牛乳!みたいな感じかな。そのことに複雑な感情を抱きながら佳主馬をみると既にだいぶ食べ終えていたのであたしは急いでこんがりトーストとめだまやきを口に運んだ。
「似合うね」
「ふ?」
「制服」
あたしの顔にぼっと熱が集まったのは言うまでもない。
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