ぽん、と何気なく頭に手を乗せると、名前は静かに寝息を立て始めた。疲れたんだろうな、と名前を抱えて寝室に向かう。途中でぶーちゃん(?)を落としそうになって慌ててしまった。そのことに気を取られて視線を名前に戻すと、顔が至近距離で息が止まりそうになった。名前の悪いところは、こういうの全部が無自覚ってことだ。

「……」

ギシ、とベットが鳴る。そのことにどくりと心臓を冷やしながら、名前の寝顔を盗み見る。いや、盗み見る必要なんてないんだけど。よく見るとまだ涙の後が付いている。名前っていっつも泣くとああなるんだろうか。だとしたら危険だ。エロい。

「…はぁ」

溜息を吐くと、玄関のインターホンが鳴った。もうちょっと静かにしてよ、名前が起きちゃうじゃん。仕方無に玄関に行くと宅配便で、丁度名前の制服が届いた。名前のおばさん、いつ採寸したんだろう。中身は指定の制服に体育着だったけど、今時学校で指定のセーターを着てる奴なんかいないから俺の奴を貸そう。何色がいいかな、黒…は俺が着るから、紺か…何色っていうんだろう、これ。薄いクリーム色?こっちのほうがいいな。薄い色は名前によく似合う。そういえば、ランチョンマットの時の名前の笑顔はやばかったな。犯罪だって、あんなの。

「はあ、」

本日何回目かすら解らない溜息を吐く。明日から名前も学校だ。登下校はまあ良いとして、クラス一緒じゃなかったら嫌だな。ちょっと手を回しておこう。
パソコンを機動させてOZを開く。めんどうだから寝室で。スポンサーからのメールを適当に返して、学校にメールを送る。学校側は俺がキング・カズマだと知っているから、多少の融通は利くんだ。今日は大した用事もなかったから早々とパソコンを落として、電気も消してエアコンの電源も切った。相変らずブランケットに包まって眠る名前の横にねぞべって、目を閉じた。



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