紫煙がゆらゆらと月のある夜空に昇って行く
それを見つめているのか
はたまたその瞳にはなにも映していないのか
とにかくあたしには儚げに見えた
「……」
土方さんは
月を背景に煙草を吸っている
それだけなのにこ
んなに素敵に見えるのは何故だろう
土方さんは僅かに襖を開けたあたしに
気づくことなくその廊下を後にした
「……はあ」
溜息を吐く
今夜は眠れない
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