とりあえず屯所にあがらせて頂くと、
この間うちに来たときには居なかった局長さんがいらした。
そりゃあ、真選組の総轄ともあろう方が一個人の家のイザコザ理由に出動する訳が無い。
そう考えると、副長さんが来たことも言わば驚きだった。

「あなたがこの間の…」
「この間はありがとうございました」
「そんな堅苦しくなくていいよ」

そう笑む局長さんはとても優しい方のようで、
あたしを食堂まで案内してくれた。
副長さんは煙草をふかしたまま、食堂とは反対方向へ向かっていった。

真選組の女中さんが作る晩御飯はとても美味しかった。
どんどん食べていくと、局長さんがあたしの事をみて笑っている
途端に恥ずかしくなって俯く

「君は、俺達の昔の知り合いに似ているな」
「そう…です、か」
「ああ」

そう言って目を細めるあたり、局長さんはその人のことをとても大切にしていたのだろう。
あたしはどうすればいいのか解らず、
ただお茶碗を持ったまま俯いていた。

「こんばんわァ〜万事屋ですけどォ〜」

局長さんはあたしを見つめたままだし、
他の隊士さんもあたしのことを見ている。
助けを求めようにも求められない状況に聞えた声は、とても聞きなれた声だった。


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