非常にまずいことになった
家にはもちろん布団なんてものもなく、あたしは冷たい床に寝た
夏だから大丈夫だと思っていたあたしは馬鹿だ

「…ぐしゅ」

風邪をひいても電話もかけられないし暖かくしておくこともできないなんて
長引く、どころの話ではない
どうか銀さんがうちに寄ってくれますように
沖田さんが早くきてくれますように…いや、それはだめだ
真選組の人に迷惑をかけてしまう。
だって真選組は対テロ用組織らしいし
一般人の夏風邪を相手にしてる暇なんてない…

「おい名前いんのか」
「どうぞはいってください」

低い声。きっと銀さんだ。
人影があたしの家に入ってくる
あたしはその様子を畳に寝そべりながら見つめていた

「…土方、さん?」
「おぅ、ってテメエ、何してんだ」
「こ、これは…その、夏風邪…」
「夏風邪だァ?」

たくさんの荷物をもった土方さんが
あたしの額に触れる
つめたくてきもちいい

「熱あんな、」
「はあ…」
「真選組まで来い」
「そ、れは…めいわく」
「迷惑もクソもねえ、行くぞ」
「はあ…」

あれ、なんで土方さんがいるんだっけ
頭が巧く回らない

「ほら、おぶされ」
「あたし、重い…」
「つべこべ言ってねえで早くしろ」

ぼふっと土方さんの背中に飛び込む
香る煙草の匂いは何故かおちつく
だんだんまぶたが重く…重く…

「チッ」
「あの、やっぱり…」
「いいんだよ。病人はだまって寝てろ」

そんな会話をしたような気がする
あたしの意識はだんだんと遠ざかっていった


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