まさか総悟にあそこまで言われるたァ、俺もまだまだだ
全然修行がたりねえ。天国に逝かせてまで心配かけてらんねェ
俺ァあいつの家に行く前に、墓参りに行く事にした
まだまだ修行がたんねえ俺が考えた結果だ

「…近藤さん」
「トシ」
「俺、正直恐え」
「……」
「今度、いなくなられたら」
「…だろうな」

俺ァどうにかなっちまう
愛した女に二度も死なれるなんざ、勘弁してほしい
畜生。あの頃はもう二度と女なんか興味持つかと思ってたのに
しかも、あいつにあんなによく似た奴なんて
余計に、

「でも、大丈夫だトシ」
「近藤さん」
「あの子は、元気な子だろう」

近藤さんには敵わない
近藤さんが言うなら、今度こそあいつは病気ひとつしねえでいてくれるだろう
あいつよりも幾分か年下の女だった、総悟と同じ位ェか
あんな年で両親に捨てられたなんてなァ

「それに、総悟のことはまかせとけ!」
「近藤さん」

初めてあった時心臓がとまるんじゃねェかって思った
生まれ変わりなんじゃねえかって思った位ェだ
でも酷く傷ついた目とか、健康的な肌とか
体は強いのに、心はあんなに弱気だった
あいつとは正反対

「…ありがとな」

こんなに気を抜いて笑えたのはいつぶりだろうか
ああ、そうだったな
お前が、死んだ時ぶりだ


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