「…総悟、」
「名前なら帰りやしたぜ」
そういうと土方は少し悲しそうに目を伏せた後、煙草を取り出した
本当に馬鹿でどうしようもねェ男だ
「そんな煙てえモン、俺の傍で吸わねえでくだせェ」
「悪かったな」
「まったくでさァ、せっかく姉上に似てる奴がいたから利用しようと思ったのになァ」
俺の言葉に土方がピクリを反応を示した
馬鹿だ。この男はどこまでも馬鹿だ
隠してんならそう簡単に反応してくれるなよ。遊びがなくなるじゃねェか
「それとも、土方さんもアイツを姉上の代わりにするつもりでしたかィ」
「総悟…てめえ…」
きっとこいつも気づいてる
俺が嘘を吐いてること
名前がただ単に姉上に似てるだけじゃねェってこと
俺にとっちゃァそれだけだが、土方にとっちゃァ違うだろうなァ
名前を見る目がそのまま姉上を見る目と重なる
自分の気持ちにも気づいてねえ馬鹿が
「馬鹿だねィ」
「……まったくだ」
「…素直な土方さんなんて、キモチワリィだけでさァ」
なんだその顔、きもちわりィ
そんな顔さらすぐれえならてめえの女くらいてめえが決めればいいだろ
姉上はそんな心のせめえオンナじゃねェんでィ
そんくらい解ってんだろ
「本当は俺がいくつもりでしたが、代わりにてめえが行ってこいや」
「は、なんで、俺が」
「そんなん決まってんだろ。俺には銀魂１巻から読み直すっつー予定があんでィ」
「……総悟、」
「じゃ、明日。たのんだぜィ」