その後、局長さんに全部説明してもらった。
さっきの…沖田さんの姉にあたしがそっくりなこと
沖田さんの姉は土方さんの最愛のひとであること
でも沖田さんの姉は病で他界してしまっていること

「そんなことが…」

どうやら局長さんにとっても大切なひとであったことに違いはないらしい。
局長さんはあたしを見ないようになのか
それとも昔を思い出しているのか
あたしから目をそらしていた

「じゃあ、もうここには居ない方が、いいですよね」

お着物、その人のものなんですね
あたしなんかが着てたら、ダメですよね
直に洗って帰しに来ますから

そううわ言のように呟いてあたしは局長さんの部屋を後にした。
音も無く屯所の長い廊下を歩く。
気分は急降下だ
早く帰ってなにもない家で少し泣きたい
しかし、玄関にいくとあたしの草履はなかった。

「アンタ、名前でしたっけ」
「あ…」

後ろを振り返ると、あたしの草履を持った沖田さんが居た。

「ちょっと話があるんですか、いいですかィ?」



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