「本っ当、ゴメン!」
あの後すぐに我に返った銀時さんは今度は高速であたしに謝り始めた。…これはこれで困ってしまう。銀時さんはあたしに向かって土下座したまま、なんかいも謝っている。「酔って変に絡んじまったあげくそのまま意識失って後輩のしかも女の子に抱えられて家まで連れて行ってもらったのにふしだらな行為をしようなんぞ俺のモラルが!!」とか呟きながら土下座のポーズのまま頭を抱える銀時さんは酔いが完全に醒めたようだった。これであたしも一安心。
「大丈夫ですよ。酔ってたんですし」
「悪ィ…」
「気にしないで下さい」
びっくりしましたけど、酔ってましたしね。そう酔ってたんだから、しょうがない。それに大学生にもなってこんなことで泣いてしまうあたしも悪い。うん。どっちもどっちでもういいじゃないですか。
「今度なんか奢るわ」
「いえ、そんな…」
「俺がおごりたいの。だめ?」
銀時さんは確信犯なんじゃないかって思う。あたしが銀時さんの事が好きなのとか全部わかってて、こういう風に言ったり、ああいうことをしたりするんじゃないかって。たまに思うことがある。
「やっぱ酔った勢いって恐いな」
「いえ、もう…」
「好きな娘襲っちゃうとか…爆発しろ俺」
え
「銀時さん、冗談はよくないですよ」
「冗談なんかじゃねーよ。俺真剣」
え
「あはははは。まだ酔ってるんですか?」
「だーから、違えって」
え、
「俺は、お前の事好きなの」
規則正しく愛おしく
やっぱり確信犯でしょう。