あー今日はちょっと飲み過ぎたかも、なんてよく回らない頭で考えても仕方が無いのに、くらくらする頭を奮い立たせようとするも中々巧く行かない。ふららと足元覚束ないまま街灯の今にも消えそうな灯りの灯るひんやりと冷たい路地を進んでいくと誰かにぶつかった、気がする。

「ん?すいあせん」
「いえいえこちらこ、そ…」

ぐるぐる視界が回る中、なんとかぶつかった相手を捕らえると、なんとそれは同じ大学の銀時先輩だった。なんどか一緒に飲みに行ったりして顔なじみだけど、あたしは銀時さんにそれ以上の感情を抱いていた。そんな銀時さんに合って、あたしの酔いは完全に醒めてしまった。

「あれぇ〜もしかして、きみ…」
「ぎ、銀時さん!!危ないですよ」

フラフラと直立する事も出来ていない銀時さんは物凄く沢山呑んだようでものっそい酒臭い。こちらにもたれ掛かってくる銀時さんを何とか支えるけど、身長も体重もあたしに遥かに勝っている銀時さんを支えるのは大分キツイ。

「あ、あの…」
「やっべ、銀さん眠くなってきたかも〜」
「ちょ!!、銀時さんんん」

ぐか〜、なんて能天気な鼾が聞えてきた時にはもう遅い。あたしの頭は真青になった。どうしよう…!!あたしは銀時先輩の家を知らない。銀時先輩の家を知ってそうな人は、…土方さんとか?は連絡先を知らない。あたしはまさに絶体絶命の大ピンチに直面しているのだ。

「…仕方ない…か」

ずるずると銀時さんの足を引きずりながら向かうのは我家。だって、銀時さんを置いて帰ることはできないし。

それがあたしの人生最高で最悪な選択だったことは今から証明されることになる。

街灯、ちかちか

(銀時さん…重いよう)
(ぐか〜)
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