夜、夢を見た。まだ病気も発覚していなかった頃の、幸せな夢を。

当時只のクラスメイトだったあたし達はたまたま席替えで隣の席になった。

「銀時君、宜しくね」
「こちらこそ」

そういって握手した時からあたしの青春は幕を開けたんだ。その時の銀時の綺麗な笑顔は今でも良く憶えている。あの席は窓際の一番後ろで、前にはまた子ちゃんが、斜め前には志村くんが座ってたんだよな。志村君と銀時は案外仲が良かったから、皆でお喋りとかして先生に怒られたりしたんだよなあ…なつかしい。

席替えから暫くたった、夏休み前の日、大分仲良くなったあたし達は一緒に終業式をサボってた。

「通知表とか絶対ヤバイよね」
「親に見せんの止めようかな」
「あ、あたしもそうする」
「…なあ、」
「え?」

初めてみた銀時の真剣な表情にどくりと体が震えた。

「…海」
「え?」
「一緒に、海、行こう」

心成しか顔を赤くしておずおずと尋ねてくる銀時に笑顔で頷いた。…結局ふたりで行くはずだったのに、3Zの皆で行く事になっちゃったんだけどね。



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