びゅうびゅうと風がふいている屋上。

そこにはあたしと、銀時。幸せなはずなのに、あたしの腕にはりついた点滴が空気を読んでくれない。この点滴はあたしを縛ってるみたいだ。この管があたしと薬をつないでる間は絶対に病院から出られない。それに、病院っていっても、限られた場所にしか行けない。ああ、今時KYなんて古いんだから。嘆いてみても、結果的に空気が読めてないのはなのは点滴をしているあたしで。哀しそうな目をして景色を眺めてる銀時に気の効いた言葉を掛けてやる事すら、あたしには到底できないんだ。

「ごめんね、」

やっとのことで喉から零れた声は辛うじて銀時に聞えたらしい。銀時は返事をしないままくしゃり、とそのカッコイイ顔を歪めた。ああ、また、哀しませてしまった。もういちど、銀時に聞えないくらいの声で「ごめん」と呟いた。ら、急に抱きしめられて、苦しいやら嬉しいやらであたまがごちゃごちゃになって。やっとのことで抱き返したら、銀時の肩が震えてる事に気付いた。そしたらなんだかあたしも悲しくなってきて、一緒に泣いてしまった。ごめんね、病気になっちゃってごめんね、銀時。




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