「おはよ!」

勢い良く教室の扉を開けたその女の姿に、いつも騒がしさの絶えない3Zの教室がしんと静まり帰った。予想範囲内の反応、つかお前らわかりやすすぎ。いつもは気取って窓ばかり見ている高杉ですら目をまんまるにしてその女を凝視している。俺はその様子を内心笑いながら見ていた。
女、もとい梢はあれ?と首を傾げている。かわいい

「あ、あれ?皆…おはよう?」

殆ど全員が呆然と梢を見ている。今まで入院していた梢が行き成り登校してきたんだから当り前だ。しかし梢はその事に気づいていないようでおどおどとクラスの連中を見つめている。かわいい
そんななかいち早く状況を掴んだ神楽が梢に抱きついた。

「梢!病気は治ったアルか!?」

「えと、今は調子がいいんだ!」

そう言って笑う梢はとても嬉しそうだ。病院では決してみる事の出来ないような心の底からの笑顔、とても奇麗な笑顔だった。梢が笑っているのは嬉しいが、その笑顔を周りのヤローまで見てしまっているというのがいただけない。でもまあ、我侭言っても仕方ねえから、なにより梢が笑っているから俺は窓際のこの席から眺めておく事にしよう。




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