「一応手術は成功しましたが、いつ何時なにが起こるかわかりません。十分注意してくださいね」

主治医の言葉に、一安心した。麻酔で眠っている梢の顔があんまりにも白くで、悪い意味でドキっとした。縁起でもねえ
梢の両親が気を利かせて俺と梢を二人きりにしてくれた。本当に感謝してる、だって、傍に居たくない訳がない。ふたりとも、一緒に目を覚ますのを待っていたくて仕方がないはずだ。

「梢…」

病室のベットに眠る梢の頬を撫でる。梢がもう長くない事は知ってる。高校生で、死んでしまうなんて。こんな奴が死ぬ前に、もっと悪い奴が死ねばいいと思う。なんで、こいつなんだ。
俺達だって正式に籍をいれた訳じゃない。きっと俺が18になるまで生きていられない梢のために、形だけ。

実はそれにちょっとした罪悪感があった、はじめから諦めてるみたいだって。でも、梢のバカみたいに喜んでる姿をみたらそれも吹っ飛んで、一見健康に見える梢が実は、重い病気を患っているなんて。俺はこの気持ちを表現する言葉を知らない。ただ、とにかく、やるせなかった。





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