籍を入れて、二人だけの小さな結婚式をした。司祭様もいない静かな教会で、お互いに指輪をはめて、ステンドグラス越しの日光を受けて、幸せに笑って、キスをした。
銀時のタキシードはすごく格好良くて、日光を浴びる銀時の髪が凄く奇麗で。どうしようもなく切なくて

わかっていた。私がもう長くないくらい、自分で解ってた。
私はこの人をこの指輪で縛り付けて死んでいかなければならない事が、どうしようもなく哀しかった。

「ねえ、銀時」
「なんだよ」
「幸せに、なれるかな」

そのときの私は弱気になっていた。両手から零れるほどの幸福に怯えていた。素直に喜べずに居た。

「あたりまえだろ」

そういって頭を撫でるしぐさがいつもと何も変わってなくて、嬉しくて、私がこのドレスみたいに奇麗になっていける気がした。

「そうだね」
「つーかぜってえ俺が幸せにすっから」

そういって、笑って、もう一度キスをした。
ねえ、銀時。私、今なら死んでも「幸せ」って言えるよ。嘘じゃない。
だって、いま私を取り囲んでいるもののすべてが、わたしを祝福してくれているみたいだから。



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