「久しぶりに焦ったら疲れた。寝る」
「…あっそう…」

あたしの家に入るなり、片手で器用に靴を脱ぎながら総悟はそう呟いた。

「有菜は足洗ったら俺んとこきなせえ」
「…なんで、」
「いいから」

そしてさっさとあたしの部屋の方へ向かっていく総悟にあたしは首を傾げるしかなかった。総悟はいつもそうだ。あたしはこれから、総悟のこういう時の気持ちも解ってあげられるようになりたい。がんばろう。なにをどう頑張ればいいのか解らないけど、兎に角そう思った。とりあえず今は、足を洗おう。傷だらけになった足には、結構グロテスクな見た目の傷もある。このままにしておけば確実に大変な事になるだろう。今更訪れた痛みに顔を顰めながら風呂場に向かう。そういえば総悟はケータイもってたけど、もしかして十四郎からメールがあったのかな。そんなとんでもない事を考えながら足にシャワーをかける。引きずるにして歩いてきた足に冷たいシャワーは凄くしみた。でも汚れを落とさないと化膿したりなりかねない。流石に石鹸を使うことは躊躇われたけど、丁寧にゆっくり足を洗った。ついでに涙やらなんやらでぐしゃぐしゃになった顔も洗っておいた。そうしたらさっぱりして、気分が少し上昇した。





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