あの日からの総悟は、とても痛かった。

あの日から一週間がたった。今日は日曜日、あたしは自分の家のリビングの床に寝そべっていた。勿論、いままでのあたしと総悟の生活は変わっていない。あたしは今までどうり出席日数だけ稼いで授業にはまったく出ない生活を送っているし、総悟は学校一のイケメンの風紀委員として毎日を過ごしている。いつか言ったかもしれないが、文芸部の部室は学校の様子がよく解るベストなポジションにある。総悟が風紀委員長のひとや、黒髪のあの人と一緒に校舎を歩いているのももちろんちゃんとあたしには、見えているのだ。それでも総悟は、あたしの前で平気な顔ばかりする。みつばさんが十四郎を連れて帰ってきたとき、あたしを頼ってくれたんじゃなかったの?そう思うと、今度はあたしが痛かった。痛くて痛くて堪らなくて、とうとう走りだしてしまった。総悟のために、と嘯いた完全にあたしのための行動だった。走って走って、サンダルを履いたあたしの足は赤く腫れていて、汚く汚れていた。でも走った。十四郎の家に向かって、真っ直ぐに走って行った。

痛かった、苦しかった。この苦痛を与えている本人に会えば、どうにかできるかもしれない。と言う、浅墓な行動だった。



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