ナツ満和、佐々木プロデュースで撮られる

 

佐々木プロデュース。過去にシノも。
シノ編
若干卑猥なところもあります。





 ナツと満和が佐々木に言われてやってきたスタジオ。
 中に入ると、案外まともそうなお兄さんたちがいた。写真を撮るということと、ちょっといかがわしいということは聞いている。いかがわしいと言われれば怖いが、佐々木も見守っていると聞いてとりあえず了承した。

 それぞれの名刺をもらい、衣装直しなどを行う。その時点でナツはAスタジオ、満和はBスタジオと場所が分かれていた。

 そして佐々木が到着。それぞれのスタジオに顔を出し、どちらも見守れるモニタールームに入って野郎どもがいたいけな高校生に過激なことをしないよう、目を光らせる。


「あっ、なつくん、そんな可愛いっ……そのハーフパンツとTシャツの隙間はぁはぁ……爽やかだからスポーツ系の服が似合うね」
「ちょ、ちょっと寝転んで……仰向けで、顎そらしてカメラ見てみて」
「こう、ですか」
「あっは、可愛い!」


 テンション高めのカメラマンと衣装担当の男に感想を言われ、戸惑いつつも服を着替えて写真を撮られているナツ。
 サッカーのユニフォーム、上下白の体操服、競泳水着、とスポーツが続いた中、次の服装は大いにスタジオを湧かせた。


「そのストイックな感じ……やばいめちゃくちゃ脱がせたい」
「医療用ケーシをチョイスした神様誰ー!」
「首まで詰まってるのに半袖……後ろ向いたときの無防備な、でも犯したい感じ……っ」
「なつくんって何? あの奇跡的なまでに無垢な目見てると犯したい気持ちになるんだけど」


 カメラマンが近づいて白いケーシを乱す。露出が増えるたびに上がる歓声、恥ずかしそうな顔と大胆に晒された下着や肌のギャップがまたたまらない。
 警察官の格好をして出てきた際には、野太い悲鳴が上がった。


「なにあれ、卑怯か……おまわりさん俺を捕まえて離さないでください!」
「やばいブーツで踏まれたい」
「社会のゴミ! って言われたい」


 はぁはぁと、普段Mっ気のないスタッフまでもが息を荒らげている。いかにも元気そうな初々しい警察官にあれこれされたいと妄想が噴き出すが、めったなことは言えない。
 ナツの純白の魅力に惹かれつつ、次から次へ衣装を変え髪型を変え、比較的まっとうに進んでいるように見える。

 さて、と佐々木が目を移したBスタジオ内では、また少々違う趣での撮影が進んでいた。
 ナツのほうはほぼ何もないスタジオで、小道具やセットなどを衣装に合わせて取り替えている。一方満和のほうは、純和風のスタジオになっていた。一見すれば本当にただの和室で、風呂まである。
 そんなセットの中で満和、和服を中心に撮影。大人しめの浴衣で胸元を少々はだけ、足元も多少捲る。その状態で手首を赤い麻縄に縛られて床に寝そべり撮影。
 ナツとはまた違う雰囲気を持つ満和に、この雰囲気はぴったりだった。


「いいよ、満和くん、もっとこっち見て。何も考えなくていいから」


 髭に眼鏡のハンサムおじさんカメラマンに帯を解かれ、袷が緩む。中を見られないようにと不自由な手で掴むその姿も全て撮られている。ちなみに下は何も履いていないから、露出した太腿、もう少し動けばいろいろ見えてしまう。
 恥ずかしさや雰囲気の淫靡さに頬を染めた姿さえ可愛らしい。

 次に満和は学ランでの撮影。これもまた、上はきっちり一番上の襟ホックまで留めているというのに、下半身は下着と靴下のみ。足を出すのは佐々木の提案で、有澤がこの真っ白むち太腿が好きだと知っての所業。妖しげな雰囲気も有澤向けを狙って、だ。
 ちなみにナツの爽やか路線も佐々木が決めた。鬼島がナツの元気さを気に入っていると知っているからである。

 ふたりを絡ませて撮りたいところだが、学校で気まずくなったり何か間違いがあったら嫌だとの各恋人の少々過剰な意見を尊重し、別々の撮影。しかし佐々木はいつかシノとナツ、シノと満和を絡ませてやる、と内なる欲望に燃えていた。


「なつくん、ヨーグルトお口に零されて嬉しいの?」
「うん、これおいしいです」
「白いの、美味しい?」
「はい!」
「……誰か、ちょっと溶けたおいしいバニラアイス持ってこい」
「あとバナナ持ってきて!」


 ブレザー姿でバニラアイスを肌にこぼされ美味しそうに指で掬って舐める姿や、バナナに垂らされたヨーグルトを舐め取る姿などを撮られて、その卑猥さがわかっていないところにときめく人多数。
 最後の下着姿はトランクス、ビキニ、ボクサーパンツと撮られ、道具として持ってこられたベッドの中で、言われたとおりに大きなテディベアと戯れた。まるで恋人のように。


「アッこのなつくんやばい……テディベアのお顔に騎乗して恥ずかしがってる姿やばい」
「白ボクサー、なつくんのなつくんとかかわいいおしりが透けちゃってる……っ……修正前一枚ください!」
「バカお前そんなことしたら佐々木さんにバラされるぞ」
「悔いなし!」
「なつくんのおしりかわいいなー競パンのときのおしり見ろよ。ぷりっぷり」
「カメラマンさん、マジ最高……競パンずらした半ケツ素晴らしい……」
「なつくんが迎えてくれたら家に帰るのぜったい楽しい」
「わかるー!」


 リアル嫁として妄想を盛り上がらせながら写真チェックを行うAスタジオ、慣れない写真撮影に疲れたナツはカメラマンと共に衣装部屋へ。
 ソファに座って息を吐くと、カメラマンが缶の温かいお茶をくれた。受け取って飲みながら、ちらりと隣を見る。ドレッドヘアーに男臭い濃い顔立ち、筋肉を強調するようなスマートな服装の、あまりカメラマンに見えない男。
 近くに座られてどきどきしてしまう。


「なつくんさ、彼氏いないの? 佐々木さんにはシノちゃんがいるし、あっちにいる満和くんは佐々木さんの同級生が恋人なんでしょ」
「彼氏――は、いないです、けど」
「そっか。俺とかどう?」


 にこにこ、いかにもいい人そうな明るい笑顔。いつの間にか追い詰められ、背中が座っているソファの肘掛けにつく。


「なつくん、可愛いから好きになっちゃった」
「いや、えと、おれ、好きな人がいるんです」
「好きな人? どんな人?」
「うんと……大人で優しくてかっこよくて、背が高くて目つきが悪くて白黒で眼鏡で髪がくしゃくしゃな人、です」
「……あー、もしかして、うん、わかった。これは手ぇ出せないな」


 ふ、と笑い、残念そうに距離を空ける。鬼島さんのことを知っているのだろうか、と、首を傾げながらも内心少しほっとした。


 さて、満和のほうも、学ランや彼シャツや道着に袴、書生風衣装、小姓風衣装、もこもこパジャマや布団などの撮影を終えた。逐一拘束具がプラスされている。目隠し、手錠、縄などだ。
 縄初体験だった満和は、手首にうっすらついた縄目を見て不思議そうな顔をしている。天井から吊るされた時にくっきりついた。


「痛い?」


 たずねてきたのは、縛ってくれたスタッフ。小柄で優しげだが、手は大きくて指が太いことを知っている。


「大丈夫です」
「そう? 細くって綺麗な手首だから心配になっちゃって……」
「平気です」


 小さなふたりが話す場所から離れたスタジオの片隅で静かに画像チェックが行われている。ナツの方とはうって変わって静かな会議。その内容は。


「若い高校生の肌に食い込む荒縄……美しいっすね。この角度どうですか」
「伏し目が綺麗だね。あーあ、全身緊縛したかったな」
「それは企画書の段階で彼氏からストップ出たって佐々木さんが言ってた。なんでも満和ちゃんの彼氏は満和ちゃんの十倍くらいのガタイで強面オラオラ、夜な夜な筆舌に尽くし難いほどいやらしい変態プレイを強要して嫌がる満和ちゃんへ強引にあれこれするのが趣味だとか……本格的な縄も、その彼氏がいずれやりたいからってだめらしいぞ」
「こんなしっとり系のかわいこちゃんをあれこれできる彼氏が羨ましいっすけど、大変すね、満和ちゃん」
「変態の彼氏と付き合ってあげてるとか優しすぎる。十倍のガタイってゴリラか熊じゃないか。大丈夫か」
「ゴリラか熊と付き合ってる天使か……。その天使感が溢れ出してより背徳感が増していい写真になってるな」
「いや、もしかしたら脅されてるのかもしれないっすよ。何かをネタに」
「……とりあえず通報しとく?」
「そしたら満和ちゃんのあられもない姿がポリ野郎どもに晒されちゃうかもしれないな。変態なら写真とか映像とか朝飯前だろ」
「そして欲望のままに……」
「結局バッドエンドか」
「くっ、幸せにしてあげたいっす!」


 話のほうは脱線しているが、手元は順調に写真を選んでいる。そこまで激しいコスチュームを着ているわけではないが淫らな雰囲気が漂って、可愛らしいパジャマで縛られて目隠しをされている写真などもたまらない。

 いい写真集になりそうだ。
 両方のスタジオでそれぞれのカメラマンがにやり。


 後日、佐々木から渡された立派な写真集。中身は鬼島、有澤両者を直撃する内容。会社で渡されたので、ナツや満和に渡すことなく秘蔵にされた。ときどき取り出しては何に使っているのか、それは謎である。
 ちなみに佐々木もこっそり持っているとは、鬼島も有澤も知らないこと。

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