飛び道具は天敵[1/3]
ずらりと並んでいる俺の同輩と後輩数名。各々の得意武器を持っています、はい。 たった今みんなの楓くんに死亡フラグがたちました。 無理無理無理飛び道具とかマジ無いわほんと勘弁土下座するから許して。
「楓?」
「ごめんなさい!!」
あああああああああ後輩のうわあ楓先輩情けないみたいな視線が痛い!下級生が居なくて良かった!神様ありが、
「あっ、楓せんぱあい!」
神様のばかやろおおおおおおおおお!!俺もう神様なんて信じないから!!絶対信じないからな!!
「どうかしたのか兵太夫に庄左ヱ門、きり丸まで居るじゃないか。」
「先輩が苦手な武器の特訓をすると聞いて応援にきました。」
「嬉しいなあ。お前らそんなに俺が好きなのか?」
「大好きです!」
「照れるじゃないか。全くお前らは可愛いな。こんなに可愛くて俺の大切な後輩が応援してくれているんだから、楓先輩は頑張らないと怒られちゃうな。」
「えへへ。そうですよ!」
「頑張らないと怒っちゃいますから!」
やっべえなにこいつらマジ天使!さすが俺の嫁たちだ愛しいよ愛しいよ。つーかさ、カッコつけちゃったけどどうすんの俺ノーコンとかカッコ悪い。そんな姿この子達に見せられない。
「!おっと。」
俺を目掛けて飛んできた焙烙火矢、分銅、ひょう刀を華麗によけようとしたんだが、そんなことをしてしまってはこの子達に直撃してしまう。そこで仕方なく愛用の仕込み刀使うことにしたわけだ。普段持ち歩いてる杖から刀を抜いて弾き返す。焙烙火矢はたたっ切って火を消しといた。 他にもあるんだぞ。角指とか匕首とか鉄扇とかな。暗器万歳愛してる素敵!
ちなみに、角指ってのは突起針のついてる方を内側にして指輪みたいに付けるもので、つけたまま思い切り握られると針が肉に食い込んで痛い。学園外に出るときは基本的につけることにしてる。匕首は横から見た時に匙みたいな刃先をしてる短刀でなんだかんだで殺傷能力が高い。鉄扇は取り敢えず扇子を思い浮かべてくれ。ようは骨が全部鉄で出来てるのがそれだ。俺は針なんかを仕込んじゃったりしてる。
「楓先輩すごーい!」
「あの杖って刀だったんですか!?」
「だからいつも持ってたんですね。」
あー…折角後輩には隠してたのにバレちゃった。勘と三郎がぽかんとしちゃってるじゃないか。 ていうか仙蔵さんごめんなさい。焙烙火矢ぶった切ってごめんなさい。そんな不機嫌な顔しないで折角の美人さんが台無しよ仙ちゃん。
そういえばみんなには言ってなかったっけ。まああれだ、来るべき時が来たら言おうと思ってたんだ、黙っててごめんね。 どうせだから俺の基本装備晒すわ。取り敢えず杖と言う名の刀だろ、帯に匕首と鉄扇で懐に角指、銭、それから白粉と紅。 え、なに?ああ、即席女装道具?これすっげぇ便利なんだよ。
「楓。」
「あ?どした長次。」
「取り敢えず、…手裏剣、から。」
「は?なんのこ…、と。」
うっわあうっわあ馬鹿!俺の馬鹿!忘れてた。いやいやガチで。 しかも手裏剣からって本気なんですねわかります。せめて下級生の居ない時に!
「…楓。やれ。」
「はい。やります。ふざけたことしてほんっとすんませんっした。」
仙蔵の無表情怖い超怖い。誰か助けて。
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