い組の底辺[1/3]
「楓、そこに正座しろ。」
「やだなぁ、仙ちゃん。そんな怒らんといて。」
「黒焦げになりたいのか?今お前の目の前に居るわたしのように。」
「すんませんっした。」
「わかれば良い。して、わたしへの詫びはどうするつもりだ?」
「俺の愛をあげ、」
「いらん。」
なん…だと…!?くのたまなんて悲鳴あげて喜んだのに。 はい、皆さんこんにちは。仙蔵に怒られました。俺に悪気は一切無かった。もちろん悪意もだ。
とりあえず現状を教えてやろう感謝しやがれ。 校庭のど真ん中に正座させられる俺。その前に仁王立ちする仙蔵。ちなみに真っ白い肌も綺麗な制服も黒焦げで、サラストNo.1と言われている黒髪もちりちりである。
誰だ仙蔵をこんな姿にしたのは!……俺ですね知ってます。俺が持ち前のノーコンスキルを発揮して、炮烙火矢を仙蔵の足元に投げちゃったからですよね。案の定どっかーんしたとも。
いやぁ、しかしながら萌えん。正座させられて怒られるとかすっげぇ幸せじゃねーか、っかしいな。相手が仙蔵だからか?よし、相手を下級生に置き換えて…。あ、よだれ出てきた。なにこれ超萌える。もっと叱ってください!
「おい楓、顔が緩みきってるぞ。気持ちの悪いことになっている。そして早く鼻血を拭け。見苦しいだろう。」
いっけね、ついつい自分の世界に入り込んでた。つーかさすがに鼻血は出してな…、出てるし。 おお、あ、やべ、止まんねぇ。ちょ、保険委員いねーの?いやいや落ち着け俺、下級生にこんな格好悪い俺を見せるわけにはいかんぞ。
「俺、保険室行ってくるわ。今日って伊作が当番だったはずだから。」
「何故覚えているんだ。伊作のストーカーかなにかか?」
「違わい。下級生の当番日を一人一人丸暗記してるから、その日以外は伊作ってことだし自然に保険委員の当番覚えちゃっただけだい。」
「それを人はストーカーと呼ぶんだ。」
「愛故に、さ。」
「あ、文次郎!楓がぜひわたしたちに鍛え直して欲しいそうだ。」
「ん? おう、いいぜ。」
「なんで居んだてめぇ!いいから一人でギンギンしてろよ!」
お前さっきまでどこにも居なかったじゃんかよ。気配すら無かったじゃんかよ。なんでこいつ呼ぶんだよ馬鹿!仙蔵の阿呆馬鹿間抜けすっとこど…、ごめんなさい! なんか心の中で仙蔵を罵ってふははとか笑ってたらめっちゃ睨まれた。なにお前読心術でも使えんの?
「ちょっと文次郎、この現象を俺にもわかるように十字以内で説明しろ、いやしてください文次郎先生。」
「小説だから。」
「それは言っちゃ駄目!仙蔵先生、正解をどうぞ。」
「落乱だから。又は、忍たまだから。」
「はいアウトー!」
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