胸が痛くて、たぶん、コレで死ぬ[1/1]
「雅先輩!見ててくださいね。」
「んー。頑張って。」
あぁ、雅先輩が応援してくださった。
以前、委員会の休憩中に左門が"田村先輩って桜崎先輩と恋仲なんですか?"と聞かれ飲んでいた茶を吹き出したこともあった。 ちなみにそれは潮江先輩にかかった。
まぁ、恋仲なんてあり得ない話だ。 これはぼくの片想いだから。 少しでも近くに居たくて、頑張った。 ぼくの見ているのは雅先輩だけど、彼女が見ているのは照星さん。 だから、火器の練習に付き合ってもらって先輩と話をするようになった。 先輩の近くにいるとどきどきして、緊張して、ときどき自分じゃなくなる。
「あれ、三木ヱ門ったら上手くなってるんじゃない?」
「え、ほ、本当ですか!?」
「うん。私も頑張らないと抜かされちゃうなぁ。」
頭を優しく撫でてくれる先輩はぼくより背が高くて、いつかぼくが先輩より火器の扱いが上手くなって、背を追い越すことが出来たら…。 そうしたら、そのときは、自分の気持ちをちゃんと伝えるんだ。
「う、あ、あの、せんぱい、えっと、あたま、」
「んー?」
「…なんでもないです。」
ほら、またどきどきしてる。 ばくばくと、脈打っているのがわかる。
あー、もう! 心臓うるさいっ!
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