どこがイイのか[1/1]
「雅ちゃーん!」
「うっさい。」
「なんでそんなに素っ気ないの!?」
「ちゃん付けすんな、敬語を使え。話はそれから。」
「……雅?」
「呼び捨てんな、先輩を付けろ。」
「だって同い年だよー?」
「あんたは後輩なんだから先輩を敬えって言ってんの。」
なんで雅ちゃんはぼくに厳しいんだろう。ぼくはただ仲良くなりたいだけなのになぁ。
「ね、ぼくのこと嫌い?」
「………。」
「…なんですか?」
「あんたが、っていうよりチャラチャラしてるのか嫌い。」
「じゃあ、髪色黒にしたら好きになってくれる? …ますか?」
「さあね。つーか、なんで私と仲良くなりたいわけ?」
……なんでだろ。雅ちゃんって口悪いし、意地悪だし、毒舌だし、ズバズバ酷いこと言うし、……うーん。
「雅ちゃん、だからかなぁ?」
「はい?」
「好きに理由はいらないと思うんだ。」
「なに言ってんのあんた。ていうか、先輩、敬語、どうした。」
こうやって考えてみると雅ちゃんのいいところって探すの大変そうだな。
でも、好きなもんは好きなんだもん! 仕方ないよね?
「雅ちゃんのそういうとこ、ぜーんぶ含めて大好きだよ!」
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