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お疲れの君に


「ねぇねぇサッチー、もうお昼だよー?」
「んーあと5分」
「それさっきも聞いた」



ぷうとわざとらしく頬を膨らませる。
ベッドにうつぶせに寝転がるサッチの意識は半分夢の中。
そんなサッチの横にしゃがんで、膝の上で頬杖をつく私。



「いつもは早起きなのにね」
「今日、俺、当番、ない。勘弁して」
「でも約束したでしょー?」
「んー?」
「今日当番ないから、デートしようねって言ったじゃん」
「…んー」
「折角島についたのにー」
「んー」



また生返事に戻ってしまった。

まあ、仕方ないか。
デートは楽しみだったけど。
いつも私たちの食事を朝から晩まで準備してくれるサッチの久しぶりの休日。
ゆっくり疲れを取ってほしいのは私も一緒だ。



「もー。今回だけだよ?」



声は不満そうになってしまったけど、幸せそうに目を瞑っているサッチに頬は緩む。



「ゆっくり休んでね」



愛しくて、少し長いサッチの髪をさらりと払いのけ、そこに触れるだけのキスを落とした。



「……ミアちゃん」
「ん?」
「…好きだよ」



ゆっくりと開かれた目に絡み取られる。
まだ眠そうで半分しか開かれてないけど、見上げるその目には私と一緒で愛しさが溢れている。



「ふふ、私もサッチが好き」
「久しぶりにミアの朝飯食いてぇ」
「、ルームサービスしてあげる」



サッチが他人に食事を頼むなんて。
珍しいお願い事に断る理由なんてない。「もうお昼だけどね」と付け加えてサッチを部屋に残して出て行く。
料理なんてサッチの方が数倍上手いから、緊張しちゃうな。


さて、何を作ってあげようか。









(あ。サッチまた寝てる)
(んー、あ。ミア。いいにおい)
(へへ、ミアちゃん特製エッグスベネディクトだよ!)
(おー!うまそー!)
(でしょ(えへへ))
(目、覚めたぜ。ありがとな!)
(どういたしまして!)






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