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look at me!!


折角の空き時間。
俺のだーーーーい好きなミアちゃんの部屋で甘い時間を過ごそうと思ってたのに、待っていたのはまさかの放置プレイ。


当の本人はエースの尻拭いで書類と向き合っている。
末の弟が可愛いとは何度も思って来たが、今回ばかりはそうは思えない。自分の仕事くらい自分でやれ。
こっちは夕方になったら晩飯の準備があるっつーのに。



「なぁなぁなぁミアちゃーん?俺すっげー暇なんですけど」



ミアのベッドの上でゴロゴロしながらやる気の無い声を出す。
それすらも総無視のミアは、頭をぐしゃりと掻きながら「ここも計算間違ってる!」と苛立たしげに目の前の紙と睨み合う。



「おーーい…」



再び声をかけるがこっちを向く気配等全くない。

面白くない。
全くもって、面白くない。

ムスッとした表情を隠すでもなく俺はベッドから立ち上がり、ミアが座っている椅子の隣に座り込む。
丁度、机を向いているミアの顔が下から見えて、俺の目線にはミアの脇腹。



「ミアちゃーん。サッチさん構ってくれないと死んじゃう病なんですけどー」



つんつん、とミアの脇腹を服の上から人差し指でつつく。
それでもミアは何も無かったかのように、書類の上にペンを走らせる。



「サッチさんあと少ししたらまた晩飯作りに行かなきゃなわけ。その前にミアで充電させてほしいわけ」



なー?と言いながらミアを見上げるが、目線すらこっちにむけちゃくれねぇ。



「何なの俺。空気?空気なの?」



あまりの扱いに流石の俺も涙目。
コノヤロー、ミア。



「ミアがその気なら、俺だって容赦しねーかんな」



ミアの脇腹をつんつんしていた人差し指を一旦離し、そのままその手をミアの服の中へと滑り込ませる。
腹の上をなで上げ、上へと向かおうとした所で、ミアが「もう!」と怒鳴って机をこれでもかと言うくらい両手で叩いた。



「お。やっと構ってくれる気になった?」



へらりと笑った俺を、冷めた目で睨む。
無視されるより睨まれた方がまだマシだ。
やっと俺の方を向いてくれたのだ。これをチャンスとせずに何とする。



「サッチ、ほんっとウザイ」
「おいおい愛しの彼に向かってそりゃないでしょーが」
「急いでんの。見ればわかるでしょ?」
「別に俺は続けてくれててもよかったんだぜ。まぁ、俺の右手は止まんねぇけどな」



にししと笑い右手をにぎにぎしながらそう伝えると、はあ、と盛大な溜息が聞こえてくる。
ペンをコトリと置き、椅子から立ち上がると、ミアは俺に覆いかぶさるように抱きついて来た。



「もういいや、遅れても。どうせ怒られるのエースだし」
「ホントにいいのか?少しなら待てるぜ?」
「待てなかったからこうなってんでしょーが」



そりゃそうだ、とミアを抱きしめ返しながら答える。
相変わらずミアはいい匂いだ。



「それに、」
「ん?」



体を起こして、俺と顔を合わせる。



「サッチがウザすぎて、内容全然頭に入ってこないし、。」



少し伏し目がちに何か言う時は、照れくさがっている時のコイツの癖。
全く、なんつー可愛いこと言ってくれちゃってんの、俺のお姫様は。




いてもたってもいられなくて、俺は伏せられたミアの睫毛にちゅと音を立ててキスした。







(悪ィなエース。お前はマルコにでも怒られてろ。)






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