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いつまでも3人でなんて 
 結局努力なしでは叶わないのだ。






「ねーねーサボたん」
「ん?どうしたミア?」




”仲のいいクラスメイト”の域をいまだ超えられない女の子、ミアに声をかけられ、おれは参考書と向き合っていた顔を彼女の方へと向けた。隣には本当の兄弟と言ってもいい程仲の良いエース。



「どうした?だって。エース聞いた?」
「おう。聞いた聞いた」



不満気な顔のふたりに見つめられて、とりあえず持っていたシャープペンを置いた。



「なんだよふたりしてその顔?」
「だってねぇ?エース」
「だってなぁ?ミア」



そう言って目配せをしたふたりは、声を揃えておれに詰め寄った。



「「サボなんでそんな真面目に勉強してんの?」」
「はぁ?」



あまりにも間抜けな質問におれも思わずまぬけ顔で反応する。
なんでって、そりゃ、決まってるだろ。



「…………おれ受験生だし」
「それ私も」
「一応おれも」
「つーかおまえらは勉強いいのか?正直おれよりヤバイだろ」
「「きーこーえーなーい!!」」



わざとらしく耳をふさいで大声を出すふたりに、こいつらはいつまでも変わらねぇんだろうな、なんて感じてふっと笑ってしまった。



「あっ。サボ今私達のことバカにしたでしょ」



目敏いミアに笑ったのを咎められて、軽い咳払いと共に口元を引き締めた。



「してねぇよ」
「えー。まーいいや。めんどくさいし許す!」



いひひと楽しそうに笑うミアに心の中で可愛いなと思う。隣にいたエースも、ミアに続いて同じセリフを並べた。全く、何様なんだおまえらは。
心の中で悪態をつくけどそれは不快なものなんかではない。居心地の良いこの空間が、数ヶ月後にはなくなってしまうのかと思ったら、少しだけ、いやかなり寂しい気分になった。



「つーか、正直な所、おれたちはサボにこれ以上勉強してほしくないんだよな」
「確かに。」
「なんでだよ」



ふはっと笑ってそうつっこんだら、口を尖らせたミアとエースが不満げに声を揃えた。



「「だって、また春から一緒の学校行きたいじゃん!」」
「…………そうだな」



真剣にそう言ったふたりに、胸の奥がじわりと熱くなった。









(つーか勉強して欲しくないって意味わかんねぇけどな)
(いやだってサボ勉強しなかったらうちらと一緒の学校行くしかないじゃん?)
(あほか。おれは志望校のレベルは落とさねぇよ。一緒の学校行きたけりゃおまえらがレベル上げろ)
(え、おれ無理(どーん))
(……………私は、ちょっと頑張ろうかな…、(ボソッ))
((えっ………!?))






(くそっ。……おまえそのニヤニヤやめろっつーの)
(エースも勉強頑張った方がいいんじゃねぇの?(ぷくく))
(うっせー責任持って教えろ(チッ))
(仕方ねぇなー(にまにま))



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