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「サッチってホント尽くすよなー。おれぜってー真似できねぇ」



キッチンの横でおこぼれを狙ってる末っ子ににやりと笑って「これがモテる男ってモンよ」と返す。



「つーかミア、この前も体調悪かったよな。そん時もサッチなんか作ってたしよ」
「ミアちゃん俺らより体力ないからなー。女の子は大事にしないと」
「すげーサッチ!尊敬する!!」



目をキラキラと輝かすエースに多めに作った飯を皿に乗せて出してやり、俺は颯爽とキッチンを出た。向かうは自室。ミアが体調悪いなんて、そんな事実は一切ない。ただのヤリ過ぎでへばって起きて来ねぇだけだ。

途中すれ違ったマルコに意味深に「ほどほどにしとけよ」なんて言われながら、自室のドアを開けると、愛しの彼女はまだ俺のベッドで寝息を立てていた。



大概のヤツは俺を優しい理想の彼氏だ、なんてぬかす。
そんなのは、嘘だ。人前で良い彼氏を貫いているだけで、実際は好きすぎてたまらねぇコイツを24時間ずっと抱いていたい。
猟奇的といえばそうなのかもしれない。



「ミアちゃーん。ごはん作って来たよーん」



こんな風にふざけた声を出していても、実際の行動はきっと異常だ。
でもそれはそれだけコイツを愛しているって証拠で。



湯気を立てた皿を乗せているトレーをテーブルに置き、すうすうと寝息を立てるミアの上に跨がって、愛して止まない女の寝顔を見つめた。
だけど、その目は俺を見つめる事はない。寝てるから当たり前と言えば当たり前だ。でもそれじゃ足りない。


どうしても、その目に俺を映して欲しくて。閉じている瞳なんて、意味がない、とでも言うように、俺の手でミアの両目と鼻を覆った。そのまま、数時間前まで嬌声をあげていた口を俺の口で塞ぐ。


数秒して、息苦しくなったミアが起きた。俺の手をどかそうともがくけど、簡単にどかせる程俺も弱くねぇ。
だけど、死なれても困るってんで、俺は目隠ししてた手だけを解放した。口は塞いだままだから、それだけでは息も侭ならないと、ミアは首を横に振ろうとするけど、俺はがっちりと両手でミアの顔を押さえつけ、俺の気が済むまでミアの口内を犯す。



「っはぁっ、はぁっ、!」



少し名残惜しい気もしたが、ようやく顔を離すと、会話も出来ない程に息を切らしたミアが涙目で俺を見上げる。頬は紅潮していて、まだ少し苦しそうな表情に、俺は性懲りもなくゾクリと自分の雄を感じた。



「おはよ」
「おは、ハァハァ、…よ、ハァ」
「飯作って来たけど」



俺のその言葉にミアは嬉しそうに礼を言う。
でもその反応は、飯にだって嫉妬しちまう俺の意に添うものではなくて。



「飯と、俺、どっちがいい?」



自分でもなんてアホな質問だとわかってる。わかってはいるが、口から出るんだ。仕方ねぇ。
案の定、ミアは「ごはんとサッチ?」なんて、わけのわからねぇ顔をしてる。



「俺とセックス。したくねぇ?」
「へ、ま、またっ…?」



少しだけ落ち着いた呼吸で答えるミアは俺の満足いく答えをくれた事はあまりない。



「わた、わたし、ちょっとおなかすいたかも、。」



ほらな。また。
だから俺も、ミアの期待する答えをあげることはあまりしねぇ。



「飯は、あとでな。」
「ちょ、ま、」
「待たない」
「休ませ、」
「無理」
「サッチっ、」
「俺に触られるの、好きだろ?」
「そん……」


知ってるぜ。あんだけ善がってて、嫌いなわけ、ねぇもんな。


一瞬ミアが言い淀んだ隙に、俺はまたその唇に吸い寄せられた。










(サッチこれなんて言うか知ってる?)
(なに)
(軟禁)
(ひでぇな。外行きたきゃ行ってもいいんだぜ)
((毎晩意識飛ぶまでしてるくせに……)肉体的に難しい)
(不満が顔に出てる)
(もう少し、頻度を)
(無理)
(酷い!)
(じゃあ本日第8ラウンドいきましょうか(にこり))
(無理!!!(泣))





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