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青がよく似合う私の彼氏の後ろ姿を見つける。
ぽけっと海を眺める彼に声をかけながら、隣に立った。



「サーボ」
「おー、どした?」



こちらを見る事もなくのんびりと返事をしたサボの視線はまだ海の彼方。 



「サボくんさー、私に何か言う事あるんじゃない?」
「ミアに言う事ー?」



のんびりとこちらを向きながら眉を寄せたサボは、少し考える素振りを見せた後、「なに?わかんねぇ」って笑いながら首を傾けた。だけど私はその反応に少しだけむっとして、持っていた火拳と麦わらの手配書を丸めてサボの頭を叩く。



「イッテ、…!」
「サボのばか」
「えぇー?…んだよ…、?」



恨めしそうにサボを睨み上げれば、心配性なサボは不安気に確認してくる。
今日は大事な日なのに。こんな大事な日を内緒にされてたなんて、少し寂しい。ぷうと頬を膨らませたまま、私は言葉を続けた。



「今日さー…」
「お、おう、」
「サボの誕生日なんだって?」
「お、……ん?」
「たんじょうび!」



ポカンと目が点になってしまったバ彼氏に声を大きくして繰り返す。それに吃驚して「ミア怖ぇ」と苦笑いしたサボは、ぽりぽりと頬を掻いた。



「えーと、うん。今日たぶん俺の誕生日。…うん。」
「たぶんて何」
「あ、いや。俺の誕生日です、」



別に雰囲気最悪な誕生日にしたい訳でもないけど、何で教えてくれなかったのかなぁとさっきまで吊り上がっていた私の眉は今度は一気に下がってしまった。



「ハハ、ミア百面相」
「うるさいサボのばーかっ」



不貞腐れてしまった私は隣に並ぶサボの靴を爪先で蹴った。小さく痛いと言ったサボは笑ってる。



「何で教えてくれなかったの?」
「あー…。教えなかったっつーか、気付いてなかったっつーか、あんま興味ねぇっつーか…」
「なにそれ。アホ?」
「ひでぇな。でもごめん、教えときゃよかったな」



困ったような笑顔で謝るサボを不満げな細目で見上げる。



「ホントだよもー。彼女降りようかと思った」
「えっ!いや、それはちょっとぶっ飛び過ぎだろ、」



百面相はサボでしょ、なんて言葉が頭に浮かぶ程、急に焦りだしたサボにうっかり頬が緩んでしまった。クスクスと漏れてしまった笑いを押さえながら、とりあえずさっきの言葉に訂正を入れる。



「うそ。冗談だよ。」
「んだよ、驚かすなよな…。あービックリした」
「ごめんごめん。でも彼女失格かとは思った」
「はぁ?なんでだよ」
「だって彼氏の誕生日も知らないで過ぎちゃうなんて、ありえないでしょ」
「そうかー?」
「そうだよー」



また、ぷう、と頬を膨らますと、隣のサボはひひと嬉しそうに笑って、「ま、いいじゃねぇか。まだ過ぎてねぇんだから」と私の頭を一撫でした。
これだけで持ち直してしまう私の心もどうかと思うけど、でもやっぱりサボには敵わなくて、ぎゅうっとサボの腰に抱きついた。



「ミア可愛いな、もしかしてこれがプレゼントか?」
「こんなんでいいわけ?」
「俺嬉しいけど」
「ふふ、お手軽」



サボはアホだな。でもなんだか嬉しくて。
にやにやした顔を見られたくなくてサボの胸に緩む顔を押し付けた。



「たんじょーびおめでと」
「ありがとう、ミア」
















(何も用意出来なかったけど、とりあえずこれあげるね)
(ん。なんだ?)
(エースくんとルフィくんの手配書。欲しがってたでしょ?)
(おおおぉ!ルフィのヤツ額上がってんじゃねぇかー!!!)
(よ、よかったね、(…めちゃくちゃ嬉しそう))











(あ、なぁなぁミア。)
(なぁに?)
(俺誕生日プレゼント考えたんだけど)
(んん?今更?もう夜だけど。ってか私何も用意してないって言わなかったっけ)
(いや、今すぐ出来る画期的なプレゼント)
(………一応聞くわ。なに?)
(今日こそ電気付けたままセック、(スパコーン!!)いてぇ…!!)
(やっぱり別々に寝よっか)
(うそ!うそうそ今のうそ!!)
(じゃー許す(恥ずかしいっての!バカサボ!))




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