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秘め事





「ねぇねぇペンギン!」
「どうしたミア?」
「ペンギンってさ、ペンギンと話せるってホント?」
「………。」



またミアはややこしいことを…。



「動物のペンギンとという意味か?」
「うん、そう」



本気か。
喋れるわけないだろう。



「誰から聞いた?」
「え、シャチ」



アイツ、一回シメておくか。



「シャチは口が軽いな」
「ってことは、本当だったの!?嘘かと思ってた」



嘘に決まっているじゃないか。
気付けよ、シャチに言われた時点で。



「うわー。そうなんだー。知らなかった」
「ちなみにシャチはシャチと話せる」
「マジで!すご!シャチのくせに!いいなー、私も動物と話してみたいな」
「そうか?もっと言うと、ベポは熊と話せるぞ」
「熊!?いいなー、熊さん!……って、そこは違うでしょ」



ベシッと胸板につっこまれた。
流石にこれは騙されないらしい。



「なーんだ、からかってただけか」
「そう落ち込むな」
「…本当にペン喋れないの?」
「無理言うな。俺は人間だ」
「ですよねー。じゃあシャチも無理か。」
「対面した時点で食われるだろうな」
「あはは、言えてる」



くすくすと笑うミアはさらりと落ちた髪を耳にかけた。


他愛もない会話に、些細な仕草。
それだけでも目を、心を奪われてしまうミアに、今日も俺はざわざわと落ち着きのない気持ちを得意の笑顔で覆い隠した。




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