top
name change
男性不信1歩手前 <マルコ編>





今日も変わらず忙しい。
だがいつもより進みの悪い作業に自分自身が嫌になり、はあと溜息を吐いた。
理由はわかっている。ミアの態度がこの間の罰ゲームからがらりと変わってしまったことだ。アイツがいつものテンションで接してこないってだけで、自分が気落ちしているのもなんだが、船の連中も若干気分が落ちているのが手に取るようにわかる。



全く、面倒くせぇよい。



目の前の書類を机に置き、眼鏡を外して伸びをした。
そこでふと視線を感じて視線を上げると、部屋の丸窓からこっちを覗く2つの目が俺を見ていて。びっくりしてガタリと椅子から転げ落ちた。

俺としたことが、他に示しがつかねぇよい。

椅子から転げ落ちるという自分の失態にチッと舌打ちをしながらも、俺と目が合った瞬間に身を隠したミアの方を見る。俺が立ち上がった所で、おそるおそるとまた丸窓から顔を覗かせたミア。

何がしてぇんだ。

次から次へと心配事か、と、頭を掻きながら部屋のドアを開けようとするが、それはミアのメモによって遮られる。

丸窓に押し付けられた手書きのメモにイラリとしながらも内容を読み取った。



“ナースから預かりもの!ドアの側に置いておくから後で取ってね”



本気で面倒くせぇ。


メモを押し付けて数秒後、メモの隙間からまたこちらを覗き見たミアに指を指しながら「そこにいろ」と告げる。するとそれに目を丸くして驚いたミアはまたメモを窓に押し付けた。



“今出て来たら本気で泣くから!!”



涙目でこっちを見て訴えるミアに溜息しかでない。
目頭を押さえて深く息を吐いている間に、ラクヨウの声が聞こえたと思ったら、速攻でミアは姿を消していた。







(いつまで続くか、…気が滅入るよい)




| TEXT |




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -