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うそつき


サッチが死んだ。
船は悲しみに溢れ、モビーまでもその色に染まる。


犯人は、2番隊のティーチ。この船に乗って長い彼。私も何度も世話になった。
ふざけて笑って、不味いチェリーパイを一緒に食べて。
家族が、家族を殺すなんて信じられなくて。
1600人の家族が、誰一人例外なく、犯人の名前を聞き返した。


そして2番隊隊長の馬鹿はその犯人を追うと言い張る。




「行くなって言ってんでしょっ!」
「おとしまえは必ずつける」
「おや、親父だって、いい、って、言ったじゃん…!」
「それでも、行かなきゃならねぇ」
「……うぅ…、なんで、よ」
「……」
「行かないで、よ…」
「それは、できねぇ」
「ひ、とりに、しないで…」
「………、わかってくれ」
「…嫌いに、なっちゃうからね」
「……ばーか」
「ばかは、グスッ…そっちよ」
「必ず帰ってくっから、待ってろよ」
「…………うん」
「だから、泣くなよ」
「………うん」
「お前はいつでも笑っててくれ」



じゃあなんであんたが苦しそうに笑ってんのよ
サッチが死んで、犯人が自分の隊のやつで、責任感じて一番苦しんでいるのはあんたじゃない。
誰よりも家族を大切にして来たあんただから、行ってほしく、ないんだよ…












親父とエースの墓の前に立ち、船を出る前のエースとの会話を思い出す。



「こんな想いさせといて、笑ってろとか、横暴だよ……」



でも、それがエースの望みなら、私ずっと笑ってるよ。
エースは死ぬ前微笑んでくれたし。


でも、だから。


今日だけはあなたの前で泣く事を許してください。
あなたを想って泣く事を、許してください。






明日からはまた、あなたの太陽のような笑顔を思い出して、私も笑うから。





(本当に、愛してた。これからも、あいしてる)








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