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別に貴方のせいではないけれど



いつも違うようで同じような毎日を過ごす。
今日だってそうだ。


皆で甲板掃除して、わいわいとお昼ご飯食べて。
眠くなる午後に少しさぼってお昼寝をしていたら、ロー船長に見つかって怒られて。


そんな毎日が好きだし、物足りないなんて思った事一度もない。
だから、まさかこんな事になるなんて。油断してた。




いつもと変わらない午後に、いつもと同じように、指示された本をロー船長の部屋まで運んでいて。
つまずいて転んでしまった時に、たまたま通りかかったペンギンに声をかけられただけ。



「怪我ないか?」
「う、うん」
「よかった。気をつけろよ」



たったそれだけの会話。
仲のいい仲間だったはずなのに。


腕を引っ張るでもなくごく自然に助け起こしてくれて、落ちた本を拾う。
そのままそれを私に渡して、にこりと笑った。



一瞬で落ちてしまった。



見た事ない顔で微笑んだりするから。
優しく、去り際に私の頭をぽんぽん撫でたりするから、。



腕の中の本を握りしめたまま、右手で感触の残る髪に触れる。
髪先にまで神経が通っているみたい。

きゅっと手の平を握りしめて、去っていくペンギンの背を見送る。
ああ、どうしようか。
芽生えてしまった感情を殺す方法なんて、存在するのかな、。





(明日から、どうしよう)





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