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ちょっと休憩





来いと言われたから船長室に行ったのに、私が来てからも黙々と本を読み続ける死の外科医トラファルガー・ロー。



そう、わたくし今とても暇を持て余しております。



自分から来いって言ったのになぁ。
なんなのこの扱い。彼女だよね、わたし。


まあ、わたしは出来た彼女なので、不満を言ったりなんかしない。
そういうの、ローはうざいと思うってわかってるからだけど。


部屋に入ってから一言も話さず、静かにしていたが、さすがに暇で、何かする事はないかときょろきょろ部屋の中を見渡す。
本棚の本がバラバラに出ているのが見えて、どうせなら、と片付けを始める事にした。
もちろん極力静かにだけど。


しばらく経って本棚の整理が終わり、他にも綺麗にできるところはないかと部屋全体をパタパタと駆けて気になるところがあれば掃除していく。
あ、意外と時間潰せそう。




「ミア」
「うひゃ!」




いきなり声をかけられて変な返事をしてしまった。



「ちょろちょろ動くな。」



えぇぇー…
あなたの為にやってるんですけど…



「来い」



未だ本はローの手の中で。
ローはソファに座ったまま私を呼んだ。


綺麗にしていた手配書の山をとりあえずまとめて机の上に置き、ローのいるソファへと歩み寄る。
隣に座れと促され、ローの隣に腰掛けた。
その時ちらりと本が見えたが、やっぱり私には理解できないような難しい本で。
私がこの難しい本を理解できるようになったらローも私のこともう少し構ってくれるようになるかな、と馬鹿なことを考える。



「お前は黙ってここにいればいい。」



さも当たり前のように隣に座らせ、私に目も向けずに本の続きを読みながらローはそう言った。



「…なにそれ俺様?」
「文句あるか」
「、ありませんっ!」



いつも通り俺様だしあんまり構ってくれないけど、私をそばにと思ってくれているだけで満たされる。
私は簡単なんだ。ラッキーだねロー。


にこにこと急に機嫌が良くなった私。
ローが本を読み終わるのを忠犬のように隣で静かに待とうと心に決める。
と、不意にローがごろりと横になり、私の膝の上に頭を乗せた。



「!」



ローのいきなりの行動に、どきまぎする。
ローはちらとこちらを見上げ、読んでいた本を自分の顔の上に乗せてしまった。



「…寝る」



そう言ったあと、何も話さなくなったローは、数分後には本当に寝てしまったようだった。



全く、勝手な人…。



顔の上に乗っている重そうな本をそっとどける。
いつもより少し幼くなったローの整った顔を見つめながら、ふわふわの短髪に優しく触れる。




俺様でも自分勝手でもなんでもいいから、この顔を見せるのは私だけにしてね、と呟いて触れるだけのキスを落とした。









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