元流星街の住人が一般人になろうとする話

メモ
歯は総入れ歯
強迫じみた潔癖
玉抜きした元男にするかどうか悩んだ記憶
整形サイボーグ
転生者であるがゆえの選民思想
高いプライド
不完全だが"好意を操る"念能力持ち


なまえは働くOLである。
毎日遅刻もサボりもしない、社会に従順で優秀な女性だ。
その上彼女は非常に秀でた容姿を持っている。人当たりも悪くない。特に真っ白な歯をちらりと覗かせて笑む姿が誰の目からも好ましく見え、随一好かれていた。
そのため彼女は完璧な女性だと、誰からも好かれていた。

しかし実のところ、なまえはまったく、完璧ではなかった。
完璧であろうとする努力は人の何倍もしたが、それは徹底的に叩き潰されたプライドがそうしたのであって、けして自分以外のためではなかった。ゆえに彼女は完璧ではなかった。

彼女は自分の出生元を知らない。なまえは流星街という街のように巨大なゴミ捨て場で育った。
国家に守られず、人として認められない存在として生きながら、なまえはなまえとしての自我を産まれた時から内包していた。泥水をすするような生き方をしなければならない日々を過ごしながらも、プライドだけは人の何倍も高かった。
自分は選ばれた存在だと、疑いもせずに信じていた。彼女にはなまえとしてではなく、もう一人の人間としての人生を送ったという、不思議で明確な記憶があったのだ。
しかし、それゆえに早々に精神に異常をきたしてもいた。
環境に耐えきれなかったのだ。しかし彼女には流星街しかすがるところがない。どうしようもできない日々が過ぎていくのを、折ることができないプライドとともに見つめていた。
だが、ある日転機が訪れる。ある司法取引を行うチャンスを得たのだ。そこで戸籍とプライドを再び得て、顔を変えて、学歴さえも偽って、彼女はOLとして毎日を謳歌していた。

なまえにとって身元を保証されるということはそれだけでこの上なくありがたいことだった。
戸籍があるというだけで、◎は働くことができる。それは、プラスチックや段ボールを噛んで飢えをしのぐ必要も、自然の厳しさに震える必要もないことを意味していた。幻覚と一日中ブツブツと話すような奇行をとることも、プライドを傷つけられる苦痛からも解放されるのだから。


飽きました
でも嫌いじゃない設定
展開としては流星街繋がりで蜘蛛との話ですかね


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