峰不二子
「不二子ちゃーん!」
「あら、ツカサ待たせちゃったかしら?」
「全然!今来たとこだよ!」
不二子ちゃんとの待ち合わせ
実は大体待ち合わせの30分前には場所に着くように計算しているけどそれは言わないのがスマートなんだ
むしろ15分とか30分なんて美人との待ち合わせなら待った内に入らないくらいの時間
美人との待ち合わせはその子が着くであろう時間の15分前には待っていてあげるのが礼儀って物だと思ってるからね!
不二子ちゃんは大体いつも15分前に来るから30分前には待ってないと
「不二子ちゃん今日は行きたい所とかある?」
「最近出来たショッピングモールに行きたいと思ってたのよ。」
「じゃあそこにしよう。ランチはその中のレストランでいいかな?車回してくるからちょっと待ってて。」
「ええ。」
駐車場に止めてある車を不二子ちゃんが待っていてくれる場所まで回す
戸惑いなく乗り込んで来た手に来る途中で買った紅茶のペットボトルを渡して
「はい、ミルクティ好きなの見つけたから買っといた!」
不二子ちゃんがにっこりと笑うのを確認してアクセルを踏み込んだ
「今日はツカサの洋服買いに来たんだから、しっかりつき合ってもらいますからね!」
「え?き、聞いてないよ不二子ちゃん!」
「だって言ってないもの。」
悪戯に成功したかのように微笑む不二子ちゃん
そんな風に笑った所も可愛いんだからもうお手上げ...
待ち合わせ場所での余裕は何処かに吹きとんでタジタジになる私に拒否権は与えられないようだ
きゅっ、と掴まれた腕はどうも振りほどくことが出来ないし
自分の今後三時間ほどを想像してため息をつくしかなかった
「不二子ちゃーん、そろそろ、休憩にしなーい?疲れちゃったよ!」
「これが男なら貧弱ねって言ってるところだけどツカサだものね、今日はここら辺にしましょうか。」
「そ、そうして下さい。」
あの後振り回されながら不二子ちゃんの着せ替え人形になること三時間
靴から帽子までをがっつりコーディネートされている私が鏡の前にたっていた
もちろんいつも自分の服装は気にかけているしそれなりの格好はしていると思う
しかし男物やボーイッシュな物を選んで着る癖がある
それが不二子ちゃんには気に入らないようで...
「もっと可愛らしいの選ぶわよ!」
とショップに連れ込まれたわけである
実際170近い伸長だから胸を潰して男装の方が似合うような気がしてたんだけど
「よし、完璧ね!」
そう言った彼女のセンスには驚くばかりだ
事実そこには殆ど別人のようにも見える自分が立っていたのだから
この状態で次元とかに会っても気づかれないと思うよ、割りとガチで
ま、1日くらいならたまにはこんな格好も楽しいかも知れない
「ランチにしない?七階のパスタのお店が美味しいらしいんだ。」
「いいわね、楽しみだわ。」
変装以外でこんな格好したのいつぶりかなーなんて話しつつ私達はレストランへと足を運ぶのだった
姉妹?いいえ、仲間です。
prev/next