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「めんまの母さん優しかったな!日記も貸してくれたしよ!」

「あ、ああ…」

「そういや、かなたが急におばさんの手握ったのはビックリしたぞ。どーしたんだ?」

「ん、ちょっと、ね」


めんまの家から自宅へ帰る途中私とじんたんは同じような空気の中にいた

自分の不甲斐なさに奥歯を噛み締めてなんとなく誤魔化す

日記を貸してもらったことで喜んでいるぽっぽはそんな空気には気づかず嬉しそうに歩き続ける



誰かが救わなければならないと思った

深い闇から救い上げてあげたいと

役者不足だ

そんなのは分かっていた

中途半端に関わったところで何も変わらないことも

偽善者にも程があると笑われても仕方ない

だけど少しでも気持ちを変えられるなら何かしたいと思ったから


「やっぱ、帰ろうかな...」


あなるが小さく呟いた言葉に一気に意識が引き戻された


「っ!別に親が心配とかじゃないけど!やんなきゃいけない事あるし!」

「あなる、顔真っ赤!」


必死に言い訳をするようにいい募るあなるに私は笑いながら言う

あなるのこういうところが好きだ

不器用で素直になれないのに上手く隠せもしなくて結局頬っぺたを赤く染めるとこ

女の子らしいそれはとても可愛い


「素直じゃねーなぁ!近くのもんの有り難さは感謝しにくいもんだけどよ。」

「まーな。」


慌てて帰っていくあなるの背中を見送って私達は笑う


「んじゃ、私も帰ろうかな。あなるも帰っちゃったし、私だけ泊ってもねー。」


手をひらひらと振ってバイバーイと言いながら別れを告げたのだった




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「ふぁあ...。」


眠い目を擦り重い瞼をあげる

完全に寝不足だ

なぜかと言えば答えは簡単

夜中突然の着信に驚いて出てみればあなるが電話口で早口で何かを捲し立てるように言ったかと思えば

とにかく秘密基地まで来てと呼び出され

夜中にイマイチ理由も分からないまま暑い中走って

何故か泊まる事になっていた秘密基地でそのちょっとした運動が原因で目がさえて、そのまま殆ど眠れなかったからに違いない


「あー...」


睡眠不足はお肌に悪いから嫌だとかそういう女子高生みたいなことじゃなくて

いや、実際は女子高生だけど

そうじゃなくて

ただ単純に睡眠欲が溢れだしてストレスか何かで死んでしまいそうだった



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