あの後何事もなかったように皆の所に戻った私達はバーベキューを楽しんだ
肉はバイエルンしか無かったけど。
ガサガサとビニールの擦れる音
音のした方向を見るともう1人の超平和バスターズがそこにはいた
「何だよ、随分な歓迎じゃないか。」
ゆきあつ
それが私達の中で決められた彼の名前だ
『めんま、かなた!カブトムシ捕ったよ!』
『おっきーねぇ!』
『今日はゆきあつが一番かな?』
遠くでうぉぉぉおお!とぽっぽのこえが方向へ向かえば案の定じんたんが笑顔で立っていて
その手には大きなカブトムシ
『また二番、かよ』
後ろからついてきていたゆきあつがぼそぼそと呟く
めんまやじんたんには聞こえない位の大きさの声はゆきあつの心の悲鳴が聞こえるようで嫌だったのを覚えている
私はそれを聞いてもなにも出来なかった
私が何か出来たとすればそれはみんなを見守るくらいで
実際、何も出来ないのと殆ど同じだったのだ
「骨付き肉、持ってきたぞ」
「うっひょー!ゆきあつやるぅ!肉だぜー!」
分かりやすい反応をするぽっぽに皆で笑う
「よし、それじゃゆきあつも来た事だしめんま探すか!」
「あ、ああ。」
提案はじんたんによって受け入れられ私達はめんまを探しに行くことになった
「めんまぁ〜!どこだぁ〜!」
「めんまぁ〜!」
森に声が二重になって聞こえる
片方はぽっぽでもう片方は当事者であるめんま
めんまはめんまでも私とじんたんにしか見えないめんま
今探しているのはぽっぽに姿を見せた方のめんま
めんま本人曰くもう1人のめんまだそうだ
その子はいくら探してもでては来なかった
めんまはどう思っているんだろう
ふと頭にそんな言葉が過る
その答えは今の時点では誰にも分からないのだ
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