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******said jinta


俺が秘密基地でぽっぽと話していると突然基地の扉の開く音がした

そこにいたのは女

誰かなんて分からない

だけどその女は俺を知っているようで昔の俺のあだ名なんかを口にして


俺がまだ分からないまま眉を潜めているとぽっぽが急に口を開いて話し出した


「もしかして、 かなただったりする?」


一瞬意味が理解出来なかった

かなたはまだめんまが生きていたころの俺らの保護者役みたいなやつで

俺らと同じ年齢のわりにどこか達観していて

超平和バスターズのなかでなんでも一番だったおれが勉強だけはかなたに勝てない

決して目立つ訳ではないけど気がつけばそこにいて支えてくれる

そんなやつ


だけどそこにいるやつはどこか垢抜けた派手まではいかないものの違う雰囲気を持っていた

どちらかというとクラスの中心にいるタイプにみえるその女はなおも俺の名前を呼び続け納得のいっていない俺を急かしているようにみえて

取り残されたような不思議な感覚



一瞬頭で考えて納得がいった

こいつ、たしか留学してたんだったか

三年も海外に行ってたら雰囲気くらい変わるか・・・と


おれだってあの頃とは変わっているはずなんだから・・・と



かなたが来てからも続いた俺たちの話

しかしそれは急に終わる

何故かと聞かれれば誰でもない かなたが原因で

なにかを呟いたかと思うと急に慌てたようにそそくさと家路に着いたかなた

まるで何かから逃げるように走り去った後ろ姿に俺とぽっぽは顔を見合わせるくらいしか出来なかった






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