晩飯を食べ終えるとおじさんは美味しかったと言って私の頭を撫でた
私も今日のご飯はよく出来たと自分を褒めてあげたいくらいだ
ツヴィーベルズッペとシュニッツェルを作ったがそれなりに美味しくできて満足だ
まぁ、パンが焼けなかったのは少々残念だがご飯でも十分美味しかったのでよしとしよう
そんなこんなで日本に来てからはじめての仕事を終えお腹もいっぱいになったところで散歩に出かけることに決めた
何処へ向かうでもなくふらふらと歩く
散歩といっても決まったコースなどはないし目的も無かったから
目的も何も無いまま風に誘われるまま進む私の足は自然とある場所へ向かっていた
秩父橋の上
影が私を追い越した
凄い速さで走っていくその影にどこか見覚えがあって
あっという間に小さくなろうとしている影に向かって声を掛ける
「じんたん!・・・あっと・・いっちゃった・・・。」
その影は私の声に気がつくでもなく走り去り私をそこに置き去りにした
走って追いかける気にもなれなくてまたとぼとぼと歩き出す
今すれ違った影によって私の行き先は決まったのだ
秘密基地
あの頃私たち7人が大切にしていたあの場所へ
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