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「ないな。花火の取り扱いは火薬類取り扱い法において、18歳以上で国家資格を持っていないと行えない。玩具花火の類なら何とかなるらしいが、それも国家資格が必要だ。」

「普通に考えてそうだよなぁ…」



はぁ、と一斉にため息が漏れる。

誰もが期待しつつ分かっていたことだった。

何とかなる、なんてフィクションでない限りありえない。



「そういえば、昨日掃除してたらこんなの見つけて…」


あなるが取り出したのは構成案のようなものが書かれた紙。



「花火を沢山集めて火薬をバラバラにして一個にまとめる」

「トイレットペーパーの芯に入れる。燃えるからだめ…、当たり前じゃん!」

「ガキ怖ぇ!」



これがかつての私たちが考えたお手紙ロケット(仮)だ。

今から考えれば馬鹿馬鹿しすぎるような案もあの頃の私たちから見れば可能性に溢れていた。

これが大空を飛ぶのを思い描いていた。


「高校生なんてえれぇおっさんに見えて、何だって出来るような気がしてたけど」

「実際は何も出来なくて、あの頃の方が何だって出来たような気がする」


ぽっぽの言葉をそう引き継げば皆が頷く。

多分、皆があの頃のことを思い出してるんだろうな。


帰ってく皆に手を振るのが少し悲しくて、でもなんとなく今までよりも晴れやかな気がした。











「二十万!?」


神社の境内に大声が響いた。


「二十万なんて大金、俺見たことねーよ…」

「私も…」


普通に高校一年生をしていれば殆ど見たことがないだろう大金。

花火の打ち上げにそれだけかかると言われれば驚いて笑うしかないだろう。


「だよなぁ…」

「私、バイトする!」

「そうだよ、俺ら三人でバイトすれば何とかなるって!」

「はぁ!?何で私もちゃっかり入れられてんのよ!」

「まぁまぁ、そう言わすによぉ!」



あなるの背中に後ろから抱き付いて「やーろーよー」と少しゆらしてみたりする。

あまり効果は見られなそうだ。

だけど、花火を成功させるにはみんなでやらないと意味がないのはあなるも分かっている。

難しい顔をしているのが後ろからでも分かった。


「俺も…、俺もやる!バイト!」


彼の一言はいつだって私たちを後押しする。

昔だって、今だって。

彼が私たちのリーダーだって確信は簡単なことで得られるのだ。







「いらっしゃいませー」


パンの焼ける香ばしい匂いに、ふわっと香るやわらかい甘い匂い。

じんたんはあなるの働いているレンタルビデオ屋とぽっぽの工事現場で働くことになったらしい。

私はと言えば近所のパン屋で求人を見つけそこで働くことになった。

元から知り合いだった店長のおじさんにわけを話せば、快く引き受けてくれたのだ。



「お疲れ、今日はもうあがっていいよ。香奈子ちゃん朝からだろ?」

「あ、ありがとうございます!引継ぎ終わったらあがらせて貰いますね。」


仕事はだいたい慣れたし、早起きも苦痛ではない。

これなら続けられそうだとほっと息をついた。









前金を握り締め、4人で行った先で突きつけられたのは突き刺さるような現実だった。


本間さん

その苗字は私たちに一番近く、一番遠い、馴染み深い名前だったのだから。

彼女の為と動いたことは唯のエゴだったのだろうか。








記憶と花火と歪んだ愛と
彼女の日記から紡ぎ出した記憶―









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更新久しぶりですね(笑)
少し前に拍手を頂いて初めて同志が居る事を知りました!
ぽっぽかっこいいですよね!!!
かっけーんすよ、のセリフでお前もなっ!と思っていたのが
私だけではないことがわかってうれしかったです!(´▽`*)
と、いうのはさて置きですね、七話ですね、サブタイ考えるのが難しかった。
話を一気に詰め込んだ感があるので雰囲気で付けられなかったってのもあるんですが←
あとアニメで数えて4話です!
自己満小説ではありますが頑張って行きたいと思うのでこれからもよろしくお願いします!




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