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「おはよー。」

「おはよう、ユウちゃん。昨日はよく眠れた?」

「うん。おばさんありがとー。」


挨拶をしておばさんににこりと微笑むとおばさんも微笑み返してくれる

あー、なんだか懐かしくて泣きそう

旅先では朝起きても一人だったし、朝の挨拶が出来るって幸せだ



昨日、あの後私の家が半壊していることの理由を辰巳に聞いたらベル坊の魔力の所為らしいという事を説明されたので

とりあえず一発辰巳を殴って(何で俺を殴るんだと殴り返された)住む場所が決まるまで一時的に辰巳の家に間借りすることになった

晴れて私は自宅の隣で居候暮らしをすることに決定したわけである(なんとも微妙な気分)


半壊した家を直すまでここにいるわけにもいかないので、早く家を見つけようと思う


今は運が良いことに夏休みらしいので、学校にもいかなくていいし

家探しに全力を注ぐことに決めた






「そこのねーちゃん、おい!無視すんなって!」

「この後暇?俺らとカラオケでもいかね?」






デジャヴだ

なんだ、この街は私がいない間にナンパ推奨条例でも可決されたのか?

それともあれか、夏休みだからとかで頭の沸いた奴らが多いだけなのか?


後者だな・・・・。

いくら現代の政治家の頭が沸ききっていたとしてもさすがに前者はないだろう。

まぁ、これ以上少子化が進めばありえるかもしれないが。



軽いデジャヴを感じながら振り返ると







昨日とは違う景色が広がってました。。。。。




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