ライン、

白い部屋

全てが白い

家具はもちろんの事、壁、床、天井、ついにはカーペットまでもが白い

私が今着ている服も白


この部屋で色があるのは私だけだ

自分自身の肌色をみて少し落ち着く


ここ数日起きると色を探すのが私の日課

気がつくといつも色を探して目を彷徨わせている


でも見つける色は結局いつも自分だけで世界に自分しかいないんじゃないかという錯覚におちいる



「チカ、良い子にしていたかい?」



そんなとき後ろから声をかけられた


「シロ・・・さん・・。」


それがこの家の主人の名前

世界でその色を一番愛していると言っても過言ではないと思える程の人

そして私をここに閉じ込めた張本人


私がシロさんの声を聞いて振り向くと彼は満足そうに笑う



私は二年前、とある事情でこの河川敷に越してきて

みんなと仲良く暮らしていた

数ヶ月前ここに越してきたリクくんとも仲良くなれていた気がするし

まぁ、ここの人はそれぞれ個性が強すぎるくらいの人ばかりだったけどとても楽しい毎日

常識なんて有って無いような場所

笑顔ばかりが浮かぶ場所






「なん、で、私を・・・・閉じ込めるん、ですか・・・?」




その場所に、私に、おとずれた悪夢




「君が他の子に笑いかけるからだよ。」




シロさんはそう言ってにっこりと笑う



「シスターにはクッキーを貰って。星君はライヴ。リク君は授業中だったよね?」



「知っているかい?おじさんはね、寂しいと死んじゃうんだよ?」



「仕方ないだろう?」







白い部屋に響く言葉

いや、私の頭に響いているだけできっと部屋には響いてない

残酷なほどに綺麗に笑うシロさんはきっと





狂ってる

だけど、そんなシロさんの色に安心してる私も多分もう狂ってるんだ


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bkm
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