「庄次〜、聞きたいことだあるんだけど。何貰ったら嬉しい?」
なんだろう。
なぜ、教えた覚えもないこの人から携帯に電話が入るんだ。
そして唐突すぎる。
なんなんだ、相手が“もしもし”の“も”の字も言わぬうちに何勝手に話を始めているんだろうか。
確かに自分の周りには話を聞かない東条さんや東条さんや東条さんがいるが、東条さんは聞こうとはする、
話している途中で気が逸れてしまうだけで、初めはちゃんと聞こうとする。
が、
この人は違うのだ。
興味がない物には全く聞く意欲を見せず、
興味があるものでも、どんなに自分に有益な情報を話そうとしていても、
気に食わないやつや、弱すぎるものの話は聞かない。
ちなみに前者の方はたこ殴り、後者の方は存在を全否定される。
この人が例外として優しくなるのは、女と東条英虎の事のみである。
男勝りな猫耳サンタ
なぜだ。
俺は平穏にクリスマスを過ごしたいだけなのに・・・・・っ!
「なぁなぁ、何をあげれば東条喜ぶと思う?」
あぁ、俺が悪かったのだろうか、先ほどこの人、チカさんからの電話を、『自分には分からないっす』の一言で切ってしまったことが
だからって、態々目の前まで来て自分に悪夢を見せることないじゃないか神様
「なぁ〜、庄次〜聞いてるかァ〜。」
本当に俺に聞いてどうするんだチカさんは。
本人に聞いたほうが良いんじゃなかろうか。
なんて考えていると急に息が苦しくなった。
ヤバイ、俺、絞め殺されそう。
「ギブギブギブ、チカさんそれ以上はヤバイっす。」
「それは庄次があたしを無視するからだろ〜?」
「それ以上はまじで死にます。」
「答えないならいっそ死ね。」
「ちょっ!?縁起でもない事いわないでくださいよ!!!」
ほら、一緒に考えろ。とチカは言うと庄次の首から手を離す
数分たって、もうどうでも良くなってきた庄次は思いついた事をテキトーに言ってみる事にきめ言葉を発した
「今日はクリスマスなんですから、デートでもしてあげれば喜びますよ。」
その言葉に反応を示すとは思っていなかったが、言ってみないよりはいいだろう
そう思って発した言葉に返ってきたのは
チカの見開かれた目から発せられるキラキラと言う擬音語が付いてくるような視線と
「庄次、名案だ!行ってくる!!!」
次の瞬間にはいなくなるチカの姿だった
“類は友を呼ぶ”と言うが、“類”は“恋人”も呼ぶんだろうか。
そう考えた庄次であった
その日、ゲームセンターのプリクラ機の中では
チカが取ったキャラクターのぬいぐるみを嬉しそうに持つ東条と東条に取って貰った猫耳をつけて笑うチカがいましたとさ
===後書き===
メリクリ企画二人目です。
今回は、いつも書いているヒロインとは真逆の性格
にしてみましたがどうでしたでしょうか?
楽しんでいただければ嬉しいです。
今回は東条夢なのに、殆ど東条が出てこないと言う(汗)
どうしても、庄次を出してやりたかったんです、すいません。
次はかおるも出したいなぁとか企んでいる訳ですが、よろしくお願いします。
でも、その前に禅さんのかっこよさに惚れたのでそっち書くかもです。
ゆっくりまったり更新していきますが、これからもよろしくお願いします。