歯車
「・・・・ん・・・・、ふぁ〜。・・・・・・おじぃーちゃー。」


十年ほど前、三代目火影の元に遊びに来てそのまま遊びつかれて寝てしまった事があった

起きた時、幼かった私が寝ぼけ眼で三代目を探した時に見つけたのは





「・・・・・わぁ!くましゃんっ!」



熊だった。

否、喋る熊だった。




「・・・・・始めてあった大人に熊とはなんだ!」




尚且つ、とても柄の悪い。


怖い怖い熊だったのだ。








幼かった私はわけも分からず泣き出して、三代目を探し走り回った。

それはもう、台風の様な勢いで。



「・・・・やぁ〜!!!!くましゃん、こぁいよ〜!!!」

「だから、熊じゃねぇって言ってんだろうがっ!」

「うぁぁぁん、くましゃんがいじめるぅぅぅう!」



怖い熊から必死に逃げながら、走り回る。

だが、如何せんまだ幼児だ。

どんなに走っても捕まるのは当たり前だった。

手をぐいっと捕まれる。

その瞬間にあいたドア。

そこにいたのは探していた三代目火影、猿飛ヒルゼンだった。

チカは物も言わずヒルゼンに抱きついた。






「おじぃちゃぁ〜・・ヒック・・・・・くましゃんがね・・・・チカのこと・・・いじめるぅ〜。」


ボスっとヒルゼンの腰あたりに抱きつくとチカは泣き出した。

ヒルゼンはそんなチカの様子に眉間に皺を寄せ目の前の自分の倅をにらみ付ける。


「アスマ、チカに何をしたんじゃ。」

「いや、俺は・・・」



子供の頃から考えてこんなに怒っている親父を見るのは初めてかもしれない

んなに、こいつは可愛がられてんのか


などとアスマは考えた



倅である自分よりも大切にされているチカ

そんな存在ににアスマが興味を持つのも無理はないだろう

アスマは未だにヒルゼンに抱きついているチカを抱き上げる




「なぁに、ただ追いかけっこしてただけだよな。チカ?」


そう言って笑いかけ、涙を指で拭ってやるとチカは一瞬きょとんとした顔をすると

さっきまでとは打って変わってにっこりと笑い


「うんっ!くましゃんと遊んでたの!」


と言った





こんなに態度が変わるのは、

怖いと思っていた熊の優しい笑顔は好きだと思ったからと、

思った以上にその腕の中が暖かくて落ち着いたから。













熊とお友達になった日。

それは、二つの歯車がかみ合った日。










===後書き===

祝、アスマ初夢!
アスマ好きだ!
親父全般的にすきだ!
愛してるよアスマ!

(((発狂w)))


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bkm
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